特例貸し付け、断られたフリーランス 肝いり政策なのに

有料会員記事新型コロナウイルス

石川春菜
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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入が減った人を対象にした国の特例貸し付けを申し込んだところ、利用を断られるケースが相次いでいます。最大200万円を無利子・保証人なしで貸し出すとうたい、菅政権がコロナ禍での「重層的セーフティネット」と位置づける肝いり政策ですが、一部の現場では困っている人ほど借りにくくなる矛盾が起きています。

写真・図版
特例貸し付けについて紹介する厚生労働省のサイト

 東北地方の男性(49)は、要介護2の母親と2人暮らし。介護するため、在宅でできるウェブ制作の仕事をフリーランスでしている。コロナ以前も年収は100万円に満たず、母親の年金と合わせてなんとか暮らしていた。

 コロナの影響が出てきたのは昨年10月ごろから。企業から受託していた大きな仕事がなくなった。地域の飲食店などのホームページ管理もしていたが、長引く自粛で顧客も経営が苦しくなり、年末を区切りに契約解除が相次いだ。「年明けには一気に暮らしが苦しくなった」と振り返る。

 スーパーには品物が半額になる夜を狙って行き、厚着して灯油代を節約するなど切り詰めたが、貯金は減る一方。持ち家の固定資産税の支払いを控えた2月下旬、社会福祉協議会(社協)が窓口になっている「緊急小口資金」を申請した。国の2つある特例貸し付けのひとつで、当面の生活費が必要な人や休業者に、最大20万円を無利子・保証人なしで貸す仕組みだ。

 これで年度末を乗り越えれば「夏には状況が変わるのでは」と思っていた。しばらくして社協から電話があり、「減収を証明する書類が必要」と言われた。ウェブ制作の仕事では、お金のやり取りは手渡しのことも多い。戸惑いつつも、厳しくなる一方の暮らしの状況などを説明したうえで、入手できた一部の領収書を送った。

 社協からその後、一通の封書…

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