タカ止めるのは「神の子」擁す楽天? パ担当の順位予想
パ展望:震災10年、劇的展開に期待
東日本大震災から10年の節目に田中将大が戻り、2013年以来の日本一に――。楽天のそんな物語を想像するのは安易だろうか。
5年連続日本一を狙うソフトバンクの壁は、たしかに高い。だが、故・野村克也監督が「神の子」と称した田中将の復帰は、彼が先発投手として挙げる勝利数以上の価値がある。
涌井秀章らベテラン先発陣の負担を減らし、ここ2年苦しむ則本昂大や、育ち盛りの捕手、太田光らに与える影響も大きい。相乗効果は計り知れない。加えて、野球ファンの範疇(はんちゅう)を超えて知られる「マー君」の存在は8年前の再現を求める空気を醸成する。
24勝無敗だった13年と同等の活躍を求めるのは酷だが、今の日本の野球に早い段階で適応し、チームとともに前半戦をうまく乗り切ることができれば、仙台の街を巻き込んで期待感は高まっていくだろう。
とはいえ、1番強いのはソフトバンクだ。
千賀滉大が少し出遅れたとしても、石川柊太、和田毅らの先発陣、岩崎翔、森唯斗らの救援陣に不安はない。柳田悠岐を中心とした打線も含め、多少のケガ人をカバーしながら戦える地力が今年もある。勝負どころでの経験値も強みだ。
その王者をかき乱せるのが、ロッテの2投手。美馬学と二木康太は昨季のソフトバンク戦で計8勝1敗。チームも5球団で唯一、ソフトバンクに勝ち越した。開幕カードでソフトバンクの出ばなをくじければ、ペナントレースが面白くなる雰囲気が漂う。
昨季は強打不発で3位に落ちた西武はオープン戦で森友哉、山川穂高の状態が良い。あとは課題の先発陣。若きエース候補、5年目の今井達也の覚醒が鍵となる。
近年、上位争いに食い込めていないオリックスだが、先発は山本由伸と山岡泰輔、打線は吉田正尚と投打の柱は球界随一。19歳左腕の宮城大弥や20歳内野手の太田椋らの台頭で活気づけばチームが化ける可能性もある。
日本ハムは大リーグ移籍で抜けた有原航平の穴を埋められるかが鍵だが、少し苦しいか。打線は中田翔、近藤健介ら脂の乗った中堅どころに加え、3年目の野村佑希も頭角を現しており、楽しみだ。(山口史朗)
ここからは、パ・リーグ6球団の担当記者による徹底予想を紹介。予想のポイントも解説しています!
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