ソウルからも声援「友好の機会に」 初出場の京都国際

ソウル=鈴木拓也
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 第93回選抜高校野球で、春夏通じて初めて甲子園に出場となる京都国際(京都)が24日、1回戦に臨む。前身は在日韓国人の生徒らが通う外国人学校「京都韓国学園」で、韓国語教育にも力を入れており、進学先に韓国の大学を選ぶ生徒も少なくない。卒業生で、今はソウルの漢陽大学に通う辻未玖さん(21)と田畑実樹さん(21)は「甲子園に出られるだけですごいこと。楽しみながら全力でプレーしてほしい」とエールを送る。

 「各学年の生徒が50人弱の小さな学校。その分、みんな仲が良いんです」。辻さんは母校での生活をこう振り返る。クラスメートに野球部員はいなかったが、放課後にグラウンドで練習する姿を見るのが好きだった。プロ志望の有力選手がいれば、全校生徒が集まってドラフト会議の様子をテレビ観戦する。「野球部が身近な存在だった」という。

 大阪市出身の辻さんは、母親が好きな東方神起の曲を聴くようになり、K―POPにはまった。韓国語を学びたくて京都国際を選んだ。京都市出身の田畑さんは、京都韓国学園の卒業生である母親の薦めもあって入学した。

 2人は3年間同じクラスで学び、3年前に卒業。

韓国生活を体験しながら韓国語に磨きをかけたいと思い、留学を決めた。今は新型コロナウイルスの影響で日本に帰れない状態が続く。ソウルで、母校が甲子園に登場する24日の柴田(宮城)戦を心待ちにする。「本当は甲子園に行きたい」という2人は、インターネットの動画を探しながら応援したいという。

 甲子園に流れる韓国語の校歌も注目される。辻さんは「後輩には甲子園で堂々と歌ってほしい。日韓の雰囲気が良くなる機会になればうれしい」。田畑さんは「正直、バッシングされるのではないかという心配はある。だけど、選抜の出場をきっかけに、日韓をつなぐ学校があることを多くの人に知ってほしい」と話す。

 韓国でも、京都国際の選抜初出場をメディアが報じる。韓国に「甲子園」の存在を広めるきっかけになりそうだ。

 17日付の朝鮮日報(電子版)は、「日本の生徒が韓国語の校歌を歌いながら、甲子園に立つ」との記事を掲載した。記事では、選抜大会を「日本ではプロ野球の人気をしのぐ超大型行事」と解説。京都国際を「今は韓国系より、K―POP好きの日本国籍の生徒が多い」と紹介。初出場に「野球部の選手は全員、日本国籍だが、韓日連合チームの快挙という声も聞かれる」と伝えた。(ソウル=鈴木拓也)