子どもの風邪ウイルス、コロナ流行下で検出率上昇の理由

野口憲太
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 新型コロナウイルスの流行下で、子どもに風邪などを引き起こすライノウイルスが検出される割合が上がった。そんな研究結果を、国立感染症研究所感染研)などのチームが海外の専門誌に発表した。コロナ禍で頻繁に使われているアルコール消毒が効きにくいタイプであることが関係している可能性があるとしている。

 感染研横浜市衛生研究所、東京大学医科学研究所のチームは、横浜市で2018年1月~20年9月、インフルエンザなどの感染症の疑いで採取された検体2244人分を分析した。

 その結果、10歳未満ではライノウイルスの毎月の検出率が例年は最大でも20%ほどなのに対し、20年は最大50%ほどになった。このウイルスは感染しても多くは軽い風邪で済むが、まれに肺炎を伴って重症化することもある。同様にアルコール消毒が効きにくいとされるアデノウイルスなども検出された。

 一方、アルコール消毒が有効とされるインフルエンザウイルスやRSウイルスはほとんど検出されなかった。

 アルコール消毒が効きにくくても、せっけんと流水での手洗いは有効という。チームの一人で感染研インフルエンザウイルス研究センターの高下恵美主任研究官は「幼い子どもの場合、手洗いを徹底するのが難しい。家族みんなが、アルコール消毒で終わらせず、しっかりせっけんを使い、水で洗い流すことが一番の予防策です」と話す。

 論文はウェブサイト(https://doi.org/10.1111/irv.12854別ウインドウで開きます)で読める。(野口憲太)