「時短命令は違憲」 グローバルダイニングが都を提訴

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 新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づいて営業時間の短縮命令を受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」(東京)が22日、「営業の自由を保障した憲法に違反する」などとして東京都に賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。時短命令をめぐる訴訟は初めてとみられる。

 都は今月18日、営業を午後8時までとする緊急事態宣言下の要請に応じない27店に時短命令を出した。このうち26店は同社が経営する「モンスーンカフェ」「カフェ ラ・ボエム」「権八」などで、同社は命令に従って宣言解除の21日まで4日間、午後8時閉店とした。

 訴状で同社は、「適切な補償もなく要請に応じれば経営維持は困難になる」と指摘。感染対策を徹底している店まで一律に対象にするのは「営業の自由への過剰な制約だ」と訴えた。また、都の命令書にあった「緊急事態措置に応じない旨を強く発信」との記載にも着目。社長がサイトで意見表明したことへの「見せしめ」「狙い撃ち」で、表現の自由の侵害だとも主張した。損害賠償の請求が主目的ではなく、請求額は1店舗あたり1円として26店舗4日間の計104円にとどめたとしている。

 長谷川耕造社長(71)は提訴後の会見で「言いたいことを言うと懲罰を与えるようなことが許されるのか」と語った。

 同社は21日まで緊急事態宣言が出ていた東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県では38店を経営する。2020年12月期の純損益は15億円の赤字で、その幅は前年の3億円から大きく悪化した。コロナ禍で既存店の売上高が前年に比べて34・8%減り、閉店費用など5億円を特別損失として計上したことも響いた。

 一方、4都県に緊急事態宣言が出ていた2月の既存店売上高は22・8%増で、前年比でのプラスは昨年1月以来だった。一部の店を除いて時短要請に従わずに通常営業を続けたため、客が集中したとみられる。

 都が18日に同社などに出した時短命令は、2月の特措法改正で罰則が設けられて以降、全国で初めてだった。都は19日に追加で5店にも命令を出した。都の担当者は命令に踏み切った理由について「時短要請に応じている店が営業してもいいのかと思ってしまう事態を避けたかった」と説明。提訴を受け、都は「訴状が届いておらず、コメントは差し控える」とした。