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「4号機燃料プールに水ない」米が誤判断 原発事故当時

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編集委員・奥山俊宏
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 東京電力福島第一原発で事故が発生して間もない2011年3月16~18日、米政府が4号機の使用済み燃料プールに水がないと誤って判断したのは、同原発構内の一部で放射線が人の死亡に直結する高線量率になっているとの情報が根拠の一つだった――。そんな事情が米政府側の記録や関係者の話でわかった。

 実際にはプールに水はあった。が、米政府はプールに水がないため、大量の放射性物質が火災で大気中に巻き上げられ、首都圏まで運ばれかねないと懸念。原発80キロ圏内の自国民に避難を勧告した。首都圏に放射能汚染が及ぶ最悪の事態の恐れをめぐり、日米の深刻な認識の相違が生じていた。

 4号機の原子炉建屋は3月15日朝に爆発。最上階のプールには1331体の使用済み燃料が保管されていた。記者が参加した「福島原発事故10年検証委員会」(座長=鈴木一人・東京大教授)事務局に対する東電の回答によると、東電は当時、燃料が水面に露出すれば建屋周辺は毎時10シーベルト(1万ミリシーベルト)の線量になると試算していた。

 だが実際には、10シーベルトと比べれば線量は桁違いに低く、東電が3月中旬に建屋外で測定した最高値は毎時400ミリシーベルト。急性放射線障害になった人もいなかった。東電は当時、測定した線量を逐一公表しており、政府も東電もプールに水があると判断していた。

 米原子力規制委員会(NRC…

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