五輪「性的ハラスメント目的の撮影禁止」新体制の組織委

前田大輔
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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は22日、会場での禁止行為に「性的ハラスメント目的の疑いがある選手の写真や映像の撮影」を新たに追加した。また、会場に入場した者の順守事項に、「主催者から撮影画像の確認を求められた際には応じること」との項目を追加した。この日の理事会で報告された。

 選手への写真や動画による性的ハラスメントをめぐっては昨夏、日本陸連に対し、女子選手から、競技中に性的な意図で撮影された写真がひわいな言葉とともにSNSに投稿されたなどの訴えがあった。日本オリンピック委員会(JOC)など7団体は昨年11月、「アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNS投稿は卑劣な行為」との声明を発表していた。

 アーティスティックスイミングの五輪銅メダリストで、組織委のジェンダー平等推進チームをまとめる小谷実可子スポーツディレクター(SD)は記者会見で「現役時代はハラスメントへの不安を持っていた。はっきりと禁止行為として記すことは大きな一歩。これから発信にも取り組んでいきたい」などと述べた。

 組織委では先月、森喜朗氏がJOCの臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会の会議は、時間がかかります」などと発言し、会長を辞任。橋本聖子新会長は、小谷SDをまとめ役とするジェンダー平等推進チームを発足。今月3日、女性理事の数も12人増やし、女性理事の割合も目標の4割を超えた。この日は新体制での初の理事会だった。

 理事会前には、新理事で「日本スポーツとジェンダー学会」会長の來田(らいた)享子氏(中京大教授)が講演し、「取り組みを記録しておく必要がある」と述べた。

 新理事に就任した五輪陸上金メダリスト高橋尚子氏は「大会と社会の人たちと気持ちが少し離れている。アスリートも、(大会が)あるかないのか本当に不安な気持ちで、いま戦っている。組織委員会、アスリート、社会、その三つをしっかりとつなげられるような発信をしていきたい」と語った。(前田大輔)