「がっつぁ」「ざーっ」LINE方言スタンプに祖父の跡

東野真和
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 おしょす~、がっつぁ、ざーっ――。岩手大3年の中村史佳さん(21)が、生まれ育った岩手県大槌町周辺の方言をイラストにしたLINEのスタンプを作り、静かな人気を呼んでいる。「祖父母が使っていた方言を残し、伝えたい」と話す。

 スタンプは2セット計80種類。「がっつぁ」(とても)のように大槌でしか聞いたことがないという言葉や、「だっからさー」(同意する相づち)のように、標準語の「だから」とは違う使い方をする言葉などが並んでいる。

 スタンプを作ったきっかけは、他の人が作った岩手弁のスタンプ見て、「驚いた時は『じゃじゃじゃ』でなく『ざーっ』だな」と違和感を感じたことだった。大槌では言わない方言があったり、よく使う方言がなかったりした。それなら「大槌弁」で作ってみようと思った。

震災で亡くなった祖父が

 普段使っている方言のほか、お年寄りしか使わない方言も思い出した。震災で亡くなった祖父がイクラを「はらんこ」と言ったことや、今月4日に亡くなった祖母がよく使っていた「ばー、なんたらまーほにほに」(あら、何てことを)などだ。

 LINEで使いそうな方言をまず40種類選び、1時間ほどでイラストを描き上げた。あえて性別や年齢が不明な線画で人を描き、幅広い年齢層に使ってもらえるようにした。

 昨年5月、「ウミウサギ」のペンネームで、「岩手沿岸の人」と名付けたスタンプセット第1弾を発売した。すると、各地にいる大槌町出身者や町の中高年を中心に「この言葉も入れてほしい」とリクエストが続々とあり、年末には第2弾を発表。合計250セットが売れた。

 「よく使う大槌弁はマイナスの感情を表すことが多いなあ」と中村さん。今度は「『あんべいい』(心地いい)のような、プラスの意味の言葉を探したい」。東野真和