千代の国、幕下転落から復活 優勝争い「意識しない」

小俣勇貴
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 大相撲春場所9日目の22日、首位の高安(31)を1差で追う千代の国(30)が2敗を堅持した。

 昨年の11月場所で一方的な押し相撲に敗れた玉鷲との一戦。千代の国は相手の突進を真正面で受けた前回の反省をいかし、右にいなして崩した。最後は引き落とし。2敗を守った。

 「相撲を取れるというのはうれしいことですね」。普段、口数が少ない30歳にしては珍しく、素直な胸の内を明かした。

 今場所は、2場所ぶりの土俵だ。先場所前に九重部屋から新型コロナウイルスの感染者が出て、所属力士は急きょ出場できなくなった。千代の国も稽古すらできず、自宅で過ごした期間はトレーニング不足に悩まされた。「腰おろしや腕立てくらいしかしていない。(回数も)知れていた」

 土俵に立てないつらさを経験したのは今回だけではない。2019年初場所では9日目まで首位白鵬を1差で追いながら、10日目の土俵で左ひざを負傷。車いすで花道を下がった。「くそ」「なんなんだよ」。そんな言葉が口をついて出た。大けがで何度も幕内の地位を失ってきた。

 そんな経験があるから、優勝争いに絡める位置にいるいまも「全然、全く(意識しない)」と言い、落ち着いた取組ができている。

 今年2月、部屋が東京都墨田区から葛飾区に移転した。コロナ禍で開催場所は大阪から東京に変更された。周りの環境が変わっても、千代の国はぶれない。「変わらず、一日一番」。土俵にあがれる喜びをかみしめながら、後半戦を戦う。小俣勇貴