俳優・國村隼が鍛えた「シナリオの行間」を読む想像力

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斉藤勝寿
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 日本映画を代表する俳優、國村隼さん(65)。映画、テレビ、舞台と活躍の幅は広く、海外映画作品にも多数出演。韓国映画でも高い評価を得ている。評価される理由はシナリオの行間を読む想像力だ。

くにむら・じゅん 1955年生まれ、大阪府出身。81年映画デビュー。映画、テレビ、舞台で幅広く活躍。「ブラック・レイン」「ミッドウェイ」など海外作品にも出演。21年は「MINAMATA」(原題)の公開も控える。

 最新作は26日公開の「騙(だま)し絵の牙」(吉田大八監督)。演じたのは自己顕示欲旺盛で、高級ワインを愛する大物小説家・二階堂大作だ。最近はマンネリ気味だったが、主人公のやり手雑誌編集者・速見(大泉洋)の斬新な企画提案に刺激されていく。

 「作家の役は初めてだと思います。吉田監督からこの役をぜひやってほしいと言われて。この監督にここまで言われるのはある意味、役者冥利(みょうり)につきますから」

 大阪府出身。1981年、「ガキ帝国」(井筒和幸監督)の不良青年役で映画デビュー。日本でもロケした「ブラック・レイン」(リドリー・スコット監督、89年)では、これが遺作となった松田優作さんと共演した。あるシーンの撮影で4回目のテイク(同じ場面の撮影)を終えたとき、監督から声をかけられた。

「次は全然違うクニを見せてくれ」

 「クニ、これまで4回、全部同じイメージでやったな」

 「はい」

 「次は全然違うクニを見せてくれ。これまでは兵士のイメージだと思うけど、君自身のナチュラルな部分を出してくれ」

 「なるほどと。カメラの前で何かをやってみせるよりも、いることの方が大切だということを学びましたね」

 名前を一気に有名にしたのは、NHK朝の連続テレビ小説「芋たこなんきん」(2006~07年)だ。

 作家田辺聖子(1928~2…

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