第2回生理痛、気持ちの問題と言われて 道行く女性に声かけた

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中井なつみ、編集委員・秋山訓子
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 15日朝。東京都豊島区役所の窓口を次々に女性が訪れ、茶色い大きな紙袋を受け取っていった。ハートを抱いた女性のイラストが描かれた紙袋の中には、生理用品が入っている。

 「コロナの影響で仕事がなくなって、経済的に苦しかった。生理用品がない、買えないとは恥ずかしくて口にできなかったので、ありがたい」

 受け取った一人、40代の女性は半年前、非正規の職を失った。美容院や服の購入を極力減らしてしのいできたが、食事や生理用品は「生きていく上で最低限必要なもの」。日々の負担に困っていたときに、豊島区が生理用品を無償で配ると知り、配布初日に訪れた。

 受け取った袋を手にほっとした表情を浮かべたが、仕事は見つかっていない。「同じような境遇の友人も多いので、もっとこうした取り組みが広がっていってほしい」

 豊島区が今回配ったのは、防災用品として備蓄していた生理用品や、栄養補給ができるお菓子などを詰め合わせた紙袋230セット。ほかに、区内のひとり親世帯などを支援するNPO法人を通じ、500セットを配る。

 たまたま防災備蓄の更新時期だったこともあり、3月に入って急きょ配布を決めたが、そのきっかけはSNSなどで「生理の貧困」が話題になっていたことだった。

 2014年、民間研究機関から東京23区で唯一「消滅可能性都市」と名指しされ、若者や女性支援に力を入れてきた豊島区。生理を巡る困窮の話題に敏感に反応し「困っている人に、区としてできることは」とすぐに動いた。

 配る時は個人情報の確認はせず、本人が「生理用品を」と口にしなくても手渡せるよう、窓口に専用のカードも用意した。カードを見た職員が「ほかにも困っていることがあればいつでも相談してください」と声をかけながら、袋を渡す仕組みだ。

 区子ども若者課の小澤さおり課長は「配布をきっかけに、さまざまな困難を抱える方たちに寄り添う支援につなげたい」と話す。

 経済的理由で女性が生理用品の入手に苦しむ実態が民間の調査で明らかになりました。コロナ禍で困窮が広がる中、生理をめぐる動きをリポートする連載です。

税金かかってきた米国 いま、無償配布の動き

 「生理の貧困」に注目し、支援しようというこうした動きは、この数年で国際的に広がりを見せている。

 英スコットランドでは昨年1…

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