市和歌山・小園健太、昨秋より1段階上に 高嶋仁の目

前・智弁和歌山監督
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(23日、選抜高校野球 市和歌山1-0県岐阜商)

 市和歌山の半田真一監督が、最後の最後に、思い切って仕掛けましたね。九回1死から平林直君が安打で出塁すると、2球目にヒットエンドランで走者を動かしました。打者は空振りしましたが、投球が変化球だった分、二塁がセーフになりました。結果的には盗塁成功です。

 試合が膠着(こうちゃく)したら、どこかでベンチが動かなければなりません。市和歌山は八回に2死満塁で主砲の松川虎生君という絶好のチャンスを作りましたが、右飛でものにできなかった。その直後なら、なおさら動くべきです。半田監督は心得ています。この采配が亀井新生君のサヨナラ安打を引き出しました。

 一方の県岐阜商・鍛治舎巧監督は、次第に慎重になっていった印象がありました。一回は無死一塁からいきなりヒットエンドランを仕掛けるなど、揺さぶりましたが、その後はバントで確実に走者を進める手堅い作戦を貫きました。

 裏を返せば、市和歌山の小園健太投手が、それだけ良かったということでしょう。走者を出してからの投球はさすがでした。中盤からスライダーを多くした配球も見事。智弁和歌山がやられた昨秋より、さらに1段階上になっている印象です。

 それとバックの守備が素晴らしかった。堅守で小園君をもり立てて、耐えて勝利をものにしました。

 県岐阜商の野崎慎裕投手も一級品の好左腕でした。ええ試合を見せてもらいました。(前・智弁和歌山監督)