ミナミ、地価28%急落の衝撃 「爆買い」の手痛い反動

有料会員記事新型コロナウイルス

筒井竜平、友田雄大
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 23日に公表された公示地価は、新型コロナウイルスの影響を色濃く映した内容となった。都心の繁華街を中心に地価が急落し、住宅地などを含めた全用途の全国平均が6年ぶりに下落に転じた。昨年後半には一部に下げ止まりの兆しも見られたが、コロナの収束が見通せないなか、先行きは不透明なままだ。

 グリコの看板でおなじみの大阪・ミナミの道頓堀の一角。フグの大ちょうちんで有名な老舗フグ料理店「づぼらや」が昨年9月に閉店した。コロナの影響で4月に休業し、そのまま100年の歴史に幕をおろした。閉店から半年がたつ今でも看板が残り、テナントは決まっていない。

 ビルを管理する大貴不動産(大阪市)によると、問い合わせは数件だけで、いずれも具体的な賃料交渉には至っていない。営業担当は「コロナ前の相場ならビル全体(6階)で月1200万円の賃料が見込めた。賃料は二の次で連絡が殺到する好立地物件だったのに」と話す。

 コロナ前は、一帯は訪日外国人客が「爆買い」に押し寄せ、飲食店もにぎわっていた。このビルの前年の公示地価も1平方メートルあたり805万円と、7年間で4・7倍に上がり、前年も23・8%の上昇だった。ところが、今年は一転、28・0%の下落と急降下。全国最大の下落率となった。

 訪日客の激減に加え、飲食店も時短営業で撤退が相次いだ。全国の商業地の下落率トップ10のうち、大阪市の繁華街は8地点を占める。大阪の繁華街は、訪日客の需要で地価が急上昇していただけに、反動も大きかったとみられる。

 不動産サービスJLLの大東雄人ディレクターは最近の大阪の地価について、「ドラッグストアなどは爆買いで『そんな高くて払えるのか』というくらい賃料が上がっていたが、コロナで剝落(はくらく)した」と解説する。

 づぼらやが面していた通りを500メートルほど歩くと、20を超す店のシャッターが閉じている。ほとんどがコロナ禍で休業や閉店に追い込まれた。不動産関係者は「以前は1平方メートルあたり30万円超でも複数社から引き合いがあった。今は6万円ほどでも借りてくれない」とため息をつく。

 コロナで地価が反転したのは、ほかの都市部でも同じだ。東京では、商業地の価格で毎年全国1位の銀座4丁目が前年の0・9%上昇から7・1%の下落に。名古屋も中心地の久屋大通駅前が同11・5%上昇から15・2%の下落へと急落した。

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