大阪桐蔭、甲子園連勝ストップ 本でメンタル特訓届かず

浅沼愛
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 第4日の23日、大阪桐蔭智弁学園(奈良)に敗れ、甲子園での連勝が途絶えた。2018年の春夏連覇での計11勝と、昨夏の交流試合での勝利で、甲子園に出場した年は12連勝となっていた。

 「自分が0点に抑えることでチームに流れが来る」。この日、最速154キロ右腕・関戸康介投手(3年)はそう自分に言い聞かせ、五回からマウンドに立った。読んだ本から得た考え方だった。

 大阪桐蔭には読書が根付く。部員40人は全員が寮生活。寮の自室にはテレビはなく、携帯電話やスマートフォンは禁止。その環境で、意識は本に向かう。

 18年の連覇当時の中心だった根尾昂選手(現・中日)も熱心な読書家として知られた。有友茂史部長は「同じような寮生活を送る中で、先輩の良い部分を取り入れているのでは」と言う。

 関戸投手も、級友が「いつも本を読んでいる」と評する読書家だ。寮から学校へ通うバスや授業の休み時間など、時間を見つけては本を開く。「野球をするのは人間。人として視野を広げるにも知識を得て大きくならないといけない」

 3人の相部屋で、自分の机の上に30冊ほど本を積む。今春、前主将の薮井駿之裕(しゅんのすけ)君が退寮する際には、部屋にためていた小説やリーダーシップに関する啓発本など数十冊を譲り受けた。石田寿也コーチが職員室に置いていた、野球やメンタルトレーニングについての本や雑誌も借りた。

 そのうちの1冊、星渉著『神メンタル』(KADOKAWA)がプレーにも生きたという。

 関戸投手は「荒れ球」が特徴だが、それまで結果が良くてもなかなか納得できなかった。石田コーチは「100点満点を常に追い求める」。プレーに完璧主義を貫いてきた。

 『神メンタル』を手にして、「悪い結果を見すぎず、良い結果やイメージをもって取り組む」ことを学んだ。マウンドに上がる際は「制球が悪くても打者を抑えられればいい」と、前向きに考えるようになったという。

 だが、この日は思いは届かなかった。先発投手に続き、関戸投手も1回3分の1を投げて3失点。チームは終盤に追い上げたが、6―8で競り負けた。「少しマイナス思考になってしまった。今日からもう夏を見据え、甲子園に出てこられるように頑張りたい」(浅沼愛)