「カラを破れ」三井住友FGの危機感、巨艦は変われるか

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鈴木友里子
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めざすは「脱銀行」 現金扱わぬ窓口、進むデジタル化

 少しこぶりな店内には窓口が二つだけ。カウンター越しに事務作業する行員も見当たらない。三井住友銀行神奈川県大和市に昨年11月開いた中央林間支店だ。行員が窓口で現金を扱うことを原則的にやめた「キャッシュレス」店舗。出入金や送金など現金の手続きは窓口でQRコード発行を受け、店内の高機能ATMに読み込ませて進める。行員の現金取り扱いをやめて業務を効率化し、資産運用や相続相談など高収益分野の対応強化をねらっている。

拡大する写真・図版三井住友銀行の中央林間支店。窓口では現金を取り扱わない=神奈川県大和市

 三井住友は2023年春までに、全国約400の店のうち300ほどをこうした軽量店へ変える。みずほや三菱UFJが今後数年で店舗を大きく削減してコストを抑えるのに対し、三井住友は店舗業務や人員配置の見直しに取り組む。01年の旧住友・さくら合併時にすでに大きく減らしたこともあり、3メガバンクの中では経費率が低い。さらに店舗業務の絞り込みやデジタル化を進めることで、個人客向けのリテール事業で安定的に稼げる態勢をめざす。

 デジタル化の柱はインターネットバンキングや、グッドデザイン賞を受賞した専用アプリの強化。振り込みや残高照会の機能を持ち、使い勝手のよさで評価が高い。今後は証券やクレジットカードなどグループ企業のさらに多くのサービスを、同じアプリから使える形をめざす。決済システム提供のスクエア社と組み、個人事業者向けのキャッシュレス化なども進めている。

 デジタルは便利になる一方、高齢者などが苦労する面も否めない。「三井住友が最後のとりでだったのに本当に痛い……」。東京・浅草で衣料品店を営む40代男性は2月の両替手数料値上げを嘆く。三井住友のキャッシュカードがあればこれまで500枚まで無料だったが10枚に減った。それ以上は手数料400円。501~1千枚の両替も400円から800円に上げた。同様の値上げは三菱UFJが18年に、みずほも19年に実施。男性は手数料不要の三井住友を使っていた。近くのげた店の女性(50)は「同じような人が増えちゃって、雷門前の(三井住友の)支店の両替機は行列ができることもあった」という。キャッシュレス決済も導入するが、加盟店手数料の負担が重いため、「両替まで手数料を取られたら小さい店はやっていけない」と話す。

 相次ぐ手数料の新設や値上げは、厳しい経営環境の表れだ。低金利が長く続いて収益源が細り、フィンテックと呼ばれる新興の金融企業が力をつけている。

 デジタル分野強化へと急速に…

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