福岡の地価上昇率が初の全国1位 大都市と違う事情とは

新型コロナウイルス

枝松佑樹
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 公示地価(1月1日時点)が23日、公表された。上昇傾向が続いてきた福岡県内の住宅地と商業地は、新型コロナウイルスの影響などで前年から上昇幅が縮小したが、なお福岡市を中心に賃貸マンションの需要が底堅いことなどから、いずれも上昇率が初めて全国1位となった。

 51市町の933地点が対象。昨年から調査を継続する923地点のうち586地点が上昇、183地点が下落、154地点が横ばいだった。1平方メートルの平均価格は住宅地が8万6千円、商業地が44万700円。

 商業地は福岡市が9年連続、久留米市筑紫野市春日市大野城市太宰府市古賀市粕屋町が7年連続で上昇するなど19市町でプラスとなった。

 住宅地は26市町で上昇した。福岡市、新宮町、粕屋町が9年連続で上昇、飯塚市は2006年の合併以来初めて上昇に転じた。一方、北九州市は2年ぶりに下落し、行橋市岡垣町、遠賀町は上昇から4年ぶりに横ばいに転じた。

 住宅地、商業地とも全体でプラスとなったが、上昇率は住宅地が昨年の3・5%から1・5%、商業地が6・7%から2・4%に鈍化し、福岡市中央区の商業地の上昇率は20・5%から7・5%に大幅縮小した。

 評価をした不動産鑑定士の高田卓巳氏は、鈍化の一因として「コロナの影響で一部の不動産に売り急ぐ動きがある」と指摘。業績が悪化した不動産の売り主が利益確保を優先し、希望価格を下げて取引することが増えたという。福岡・天神では「新築ビルの空室率が高い例が多く、天神ビッグバンにも影響しうる」とみる。また、北九州小倉北区の中心市街地の堺町や魚町には商業地の価格が下落に転じた地点があり、コロナ禍で物販店や飲食店の売り上げが大幅に減った影響とみられるという。

 それでも、全国に比べて値崩れは少ない。「もともと東京など大都市圏ほどの地価の過熱はなかった」と高田氏。コロナ禍による冷え込みも相対的に軽くなった。コロナ禍で賃貸マンションの収入の安定性が再評価され、用地の高値取引も多くみられるという。

 このため、上昇率は全国トップに躍進。商業地では全国ベスト10の8地点を福岡市が占め、中央区清川2丁目が2位、同市博多区店屋町が3位だった。住宅地では福岡市博多区博多駅南5丁目が8位、中央区港2丁目が9位に入った。

 工業地の上昇率は、昨年と同じ3・9%を維持した。福岡都市圏はまだ先進的な物流施設が不足しているため、物流用地が地価を押し上げたという。(枝松佑樹)

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