春夏連覇した父、追いかけた息子 同じ甲子園の舞台に

野田枝里子
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(24日、選抜高校野球 東海大菅生4-3聖カタリナ)

 父の姿を追いかけて、ここまでやってきた。東海大菅生(東京)の三塁手、小池祐吏(ゆうり)選手(2年)は、父・正晃さん(40)が活躍した同じ甲子園の舞台に立った。

 聖カタリナ(愛媛)との1回戦、「5番・三塁」で先発出場。2打席目には、高めの直球を左前安打にして、甲子園初安打を記録した。一塁上でほっとした表情を見せた。八回には犠飛も放った。

 正晃さんは1998年、松坂大輔投手を擁する横浜で春夏連覇を達成した。その年のドラフトで6位指名され、横浜に入団。中日でもプレーし、現在、DeNA1軍外野守備走塁コーチを務める。

 甲子園で活躍する父の姿を映すビデオは、何度も一緒に見た。「俺は春夏連覇してるけどな」。よく自慢話も聞かされた。小さい頃は聞き流していたが、成長するにつれ、父が高校野球で残した成績のすごさが分かっていく。

 3きょうだいの長男。小学校から野球を始めた。家には野球道具やユニホームがたくさんあった。父が試合に出る日は家族で球場へ。自然と野球に打ち込むようになった。父も付き合い、鏡が置いてある自宅の倉庫で毎日1時間のティーバッティング。試合の日も、球場へ行く前に付き合ってくれた。

 9歳の時、父は引退試合で2本塁打を放った。現役最後の打席で本塁打を打ち、泣きながらベースを一周していた。その姿を見て、「かっこいい。ああなりたいって思った」。

 高校進学の際、他の強豪校も考えた。「人間形成」を掲げる若林弘泰監督のもとでプレーしたいと決意、両親に「菅生で日本一を取ってくる」と宣言した。

 父は甲子園で本塁打を放っている。選抜出場が決まった後、「いつもの自分のプレーをして、ホームランを打てるように頑張りなさい」と声をかけてもらった。

 「甲子園は広くて、ここでお父さんはやっていたんだなと思った。初安打も打てたので、次の試合も勝てるように、しっかり振っていきたい」と言った。(野田枝里子)