若手医師、ロボットから学ぶ時代に? 熟練の技も記録

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瀬川茂子
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 患者はロボットが置かれた近くの病院に運ばれ、医師が離れた場所からロボットを操作して手術する――。将来、こんなことが可能になるかもしれない。昨年、国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」が、がんの手術を成功させた。産官学が遠隔操作に必要な技術開発に取り組んでいる。

試作機、すぐにできたが…

 ヒノトリは医師免許も持っていた漫画家・手塚治虫氏の代表作「火の鳥」から名付けられたロボットだ。初の手術は、神戸大付属病院国際がん医療・研究センターで昨年12月にあった。70代の患者の体内から、がんに侵された前立腺を切り取った。

 手術の方法は、おなかに小さな穴をあけ、そこから手術器具を入れてカメラで映した映像を見ながら医師が手術する「腹腔(ふくくう)鏡手術」。出血が少なく、患者の負担は軽く術後の回復も早い。

 しかし、前立腺は骨盤の奥にある臓器で、血管や神経が複雑にからみあっており、一般的に手術はむずかしい。さらに、手術器具を動かせる範囲は限られ、医師の熟練の技が必要だった。

 ヒノトリは、三次元映像を撮影できるカメラや、正確に手術器具を操れる4本の腕を持つ。医師は拡大された映像を見ながら、極小器具を思い通りに動かすことができた。

 「手術支援ロボットを使い始めると、ロボットなしの手術には戻れません」。ロボット開発にも携わってきた藤沢正人教授は、手術を成功させた後の会見で、そう強調した。

 国内の手術支援ロボットは、米インテュイティブサージカル社の「ダビンチ」が独占状態にあった。そこで、産業用ロボット大手の川崎重工業と医療機器メーカーのシスメックスが共同で2013年に設立した企業メディカロイド(神戸市)が、「ダビンチに追いつけ追い越せ」と製造したのがヒノトリだ。

 川崎重工業は、溶接や塗装用…

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