沖縄の空に消えたホームラン 佐藤輝明の恩師が見る進化

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内田快
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 プロ野球の2021年シーズンが26日、開幕する。東日本大震災から10年の年に大リーグから楽天に復帰した田中将大とともに、一人のルーキーが話題をさらっている。

 テレビ関係者の間で「伝説」となったホームランがある、と聞いた。

 阪神の佐藤輝明(近大)がそれを打ったのは、まだ春季キャンプを行っていた2月18日。沖縄・宜野湾であったDeNAとの練習試合の九回、右腕の伊勢大夢(ひろむ)からだった。

 打球は122メートルの中堅にそびえるスコアボードを飛び越えていった。飛距離だけでなく、打球速度も規格外だった。

 一、三塁側で構えていた計7台のテレビカメラがこの打球を見失った。朝日放送テレビの高野純一アナウンサーは言う。

 「カメラマンはいままで何本ものホームランを撮ってきた。それでもあの打球は追えなかった」

 辛うじてとらえた外野のカメラマンからは、「勘でカメラを振り上げたら打球が映っていた」と聞かされたそうだ。

 昨秋のドラフト会議で4球団が競合した左打者は、実戦を重ね、息切れするどころか、すごみを増している。

 「プロの球でもとらえれば、本塁打にできるのはもう分かった」

 キャンプでの強気な言葉を証明するように、オープン戦では12球団最多6本塁打を放った。このうち本拠甲子園での3本はすべて体とは逆の左翼方向だった。打率は3割を超え、打点も9。

 「そらもう、こんだけ打ってて使わへんかったらおかしい」。3月中旬の時点で、矢野燿大(あきひろ)監督は開幕戦での先発起用を明言した。

 その開幕戦は敵地でのヤクルト戦。高津臣吾監督は警戒感を隠さない。

 「(狭い)神宮で打席に立たれたら投手は投げにくいと思う。ゴジラ(松井秀喜)やイチローのように対策を徹底しないと」

 巨人の原辰徳監督も「手ごわい相手になるだろうね」と言った。

 22歳はプロの門をたたいてまだ数カ月。オープン戦とはいえ、なぜこんなに打てたのか。

 オープン戦終了直後、恩師の近畿大、田中秀昌監督に尋ねた。

 「プロのコーチの指導を受け…

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