京都国際、韓国語の校歌高らかに 甲子園で戦後初めてか

吉村駿、滝沢貴大、黒田陸離
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(24日、選抜高校野球 京都国際5-4柴田)

 第5日の24日、京都国際は柴田(宮城)との初出場対決を制し、試合後に校歌を歌った。同校は在日韓国人らが通った学校が前身で、校歌は韓国語甲子園での韓国語校歌は戦後初めてとみられる。スタンドのOBは初勝利をたたえ、野球部の歴史をかみしめた。

 延長戦の末、5―4で勝利した選手たちがベンチ前に整列すると、球場全体に校歌が流れた。大型スクリーンには、ハングルの歌詞と日本語訳の両方が映し出された。

 三塁側のアルプス席にはチームOBや選手の保護者らが集った。OBの李良剛(イヤンガン)さん(35)=東京都品川区=は手拍子をし、マスクを着けたまま小さく口を動かした。「韓国とか日本とかではなく、グローバルの時代。野球を通じて国境を超えて感動を与えてほしい」

 18年前の夏、京都大会の開会式で日本語と韓国語の両方で選手宣誓した。「魂(オル)・感謝(カムサ)・感動(カムドン)」。拍手が送られた。「高校野球に民族や国籍は関係ないと感じた。高校野球はいいなと思った」と振り返る。

 この年に初のベスト8入りを果たしたが、甲子園には届かなかった。翌年に学校教育法1条に基づく学校になり、校名も変わった。現在の野球部員は全員日本国籍だ。校歌は変わらなかった。歌には李さんの思い出が詰まっているという。

 その校歌が甲子園で流れ、選手たちは声を合わせた。山口吟太(ぎんた)主将は試合後、取材に「勝った喜びがこみ上げてきた」と話した。「気持ちよく歌えました」と話す選手もいた。

 球場のファンからは驚きの声も聞かれた。

 一塁側の外野席で観戦した大阪府の会社員岡田尚さん(56)は、高校野球が好きで甲子園を毎年訪れる。「韓国語を聴いたのは初めてで少し驚いた。高校野球も国際的になってきたんだな」。大阪府の会社員平池裕作さん(50)は「こういう出場校があって良いと思う。ラグビーの花園には、すでに大阪朝鮮高級学校が出場している」と話した。

 三塁側の外野席で見た兵庫県明石市の会社員谷口史朗さん(53)は、甲子園観戦歴45年だ。「色々な校歌があるから全く違和感はない。これからもいろんな国に関係のある学校にも甲子園に出てきてほしい」

 ツイッター上でも反応があった。「京都国際の校歌って韓国語なんだ」といった書き込みや、「校歌が韓国語で何の問題があるのか」との意見がみられた。(吉村駿、滝沢貴大、黒田陸離)