超えてはいけない大記録 最弱力士が向き合う黒星地獄

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鈴木健輔
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 “大記録”を超えてしまった。

 春場所13日目の26日、22歳の序ノ口力士が黒星を喫し、2年前の初場所から続く連敗が「90」に。過去に自身が記録した大相撲史上最長の連敗「89」を上回った。取組後、取材には応じなかった。

 力士は式秀部屋の勝南桜(しょうなんざくら)聡太。コアなファンにとっては、昨年までのしこ名「服部桜(はっとりざくら)」の方がなじみがあるかもしれない。

 約180センチ、約86キロと力士としては細身。角界で最も番付の低い序ノ口を、デビューから抜け出したことが一度もない。

 通算成績は3勝224敗1休。2016年夏場所から18年名古屋場所まで89の黒星を連ねた。歴代断トツのワースト記録だ。強そうな相手を前に、立ち合いと同時に自分から尻もちをつく、「敗退行為」と取られかねない相撲を見せ、審判の親方から注意を受けたこともある。そして、再び黒星地獄。2年以上白星を手にできず、この日、自己記録を超えた。

 原則、引退を強制されることのない角界には、勝南桜に限らず、出世の可能性が低くても土俵に上がる力士が少なくない。最高位が三段目で、いま序二段にいる50歳もいる。私は以前、彼らのような存在を肯定的に考えられなかった。

 でも、ある元力士に話を聞き、考え方が少し変わった。

 46歳10カ月まで土俵に上…

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