【動画】見通せない五輪、揺れる心 市井の人は何を思う

有料会員記事

長島一浩、藤原伸雄
【動画】「揺れる東京五輪」コロナと五輪に翻弄される人の思い=長島一浩、藤原伸雄撮影
[PR]

 大会組織委トップの交代劇に、相次ぐ聖火ランナーの辞退――。7月23日に開幕予定の東京五輪パラリンピックが揺れている。新型コロナウイルスの終息も見通せない中、市井の人は今、何を思うのか。コロナと五輪に翻弄(ほんろう)される人々の声に耳を傾けた。

「わたし、何をやっているんだろう」

 五輪開催中の東京を観光客に案内することが夢、と話す東京都の40代女性。20年以上、バスガイドとして東京タワーや浅草などを案内してきた女性にとって「一生に一度の舞台」だ。しかし、コロナ禍で観光需要が激減し、昨春から乗務できていない。

 非正規雇用で週5日働き、収入は20万円以上あったが昨秋、解雇通知が届いた。会社と掛け合い解雇は免れたものの業務はなく、支給される休業手当では家賃しかまかなえない。

 今、複数のパートで食いつなぐ。病院の事務、小売店と大型スーパーでのレジ打ちや品物の陳列。休みはない。テレビに映る観光地を前に思う。「わたし、何をやっているんだろう」

 それでも復帰を諦めてはいない。約5年前、夕食の準備中に息子が言った「お母さんがバスガイドなのは自慢なんだ」という言葉が胸に残る。シングルマザーとして奮闘してきた時間を思い出すと前を向ける。五輪の晴れ舞台を紹介する姿を息子に見せたい思いもある。

 「安心してオリンピックを楽しめるまで延期してほしい。またバスに乗って、たくさんのお客さんを迎えたい」。その日が来るまで、本業ではない仕事にも励むつもりだ。

競技場建設、二度立ち退きを迫られた住民

 「ここにくると、思い出があふれ出てきます」。2月下旬、国立競技場周辺を歩きながら、甚野公平さん(87)は涙をぬぐった。かつて住んでいた家は競技場の一部になっている。

 1933年、甚野さんは競技…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら