内閣の臨時国会召集の義務 東京地裁、憲法判断は示さず

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新屋絵理
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 憲法53条に基づき野党が臨時国会の召集を求めたのに対し、2017年当時の安倍晋三内閣が約3カ月間応じなかったことが憲法違反にあたるかが問われた訴訟の判決が24日、東京地裁(鎌野真敬裁判長)であった。判決は違憲性を判断せず、原告側の訴えを退けた。原告側は判決を不服として控訴した。

 原告の小西洋之・参院議員(立憲)は、①臨時国会の召集を要求する権利や臨時国会で質問する権利が侵害されたことへの国家賠償②内閣が20日以内に召集する義務を負うことの確認を求めていた。

 判決は①について、原告が主張する権利は、国会議員として付与された「職務上の権限」で「公益を図ることが目的」と指摘。裁判で救済される個人の権利ではないとして棄却した。②については、国会議員と内閣はともに「国の機関」であるとして、機関同士の争いは法律に定めがない限り提起できないとして却下した。

 内閣に憲法53条による法的義務があるかについては判断を示さなかった。

 訴訟の発端は17年6月。野党が森友・加計学園問題を審議するため臨時国会の召集を要求したが、安倍内閣が召集したのは98日後で、冒頭に衆議院を解散した。憲法53条は、衆参いずれかの議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は召集を決定しなければならないと定めている。

 同種訴訟は岡山など全国3地裁で提起された。昨年6月の那覇地裁判決は、安倍内閣の対応の違憲性は判断しなかったが、憲法53条の要求に基づく召集は「憲法上の法的義務だ」と明言。原告側は判決後の会見で「那覇地裁の判決より後退した。国会が開かれなければ説明責任を尽くす場がなくなる。内閣のやりたい放題だ」と批判した。(新屋絵理)

■江藤祥平・上智大准教授(憲…

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