野沢温泉村にアラフォー議員2人 平均年齢10歳若返る

遠藤和希
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 23日に8人の無投票当選が決まった長野県野沢温泉村議選で、2人の“アラフォー”新人議員が誕生した。改選前に平均年齢68歳だった同村議会では久しぶりの若手。ともに観光業界に携わり、新型コロナ禍で迫られる変化を村政に吹き込もうと立候補した。

 当選したのは、いずれも無所属新顔の上野雄大さん(39)と斉藤優樹さん(41)。「経験を生かしてスポーツ分野での提案や地球温暖化など環境問題に取り組む」(上野さん)、「豊かさは経済の基盤が大事。そこを固めた上で、ワクワクするような村になるようにしていきたい」(斉藤さん)と抱負を語った。2人の当選もあり、村議の平均年齢は59歳に若返った。

 村出身の上野さんはフリースタイルスキー選手としてワールドカップにも出場するなど活躍後、2010年に村内でアウトドア店を開店。同競技で五輪にも出た妻と育児をしながら、自然体験ツアーなども開催して店を切り盛りしてきた。

 一方、埼玉県出身の斉藤さんは金融業界を経て、約10年前に妻の実家がある同村に移住。旅館の運営にたずさわってきた。

 2人が関わる観光業を取り巻く状況は厳しい。ピーク時の半分に満たない年50万人以下にまで減った観光客回復の切り札として、村は外国人の誘客に注力。観光客は増加に転じ、近年はオーストラリアなど多くの外国人客が目立つようになったが、新型コロナ禍でそれがほぼゼロに変わった。

 「旅館業の実情を反映した施策の改善を図り、村の魅力発信にも努めたい」と話す斉藤さんは、「村で起きていることを知りたかった。変化の時代には新しい挑戦をしないと生き残れないと思った」と立候補の理由を語った。スキーシーズン以外の観光活性化も図りたいと考える上野さんも、「厳しい時代だけど、この変化がある時だからこそ言えることもある」と話す。

 同村では近年、村議のなり手不足が深刻だった。4年前の前回村議選では、告示直前まで6人しか立候補表明がなく、公職選挙法に基づく再選挙の可能性も取りざたされた。前々回は定員に1人足りない7人の立候補にとどまった。

 村の“若手”議員は、29歳が当選した44年前や、41歳が当選した28年前あたりまでさかのぼるという。29歳で初当選し、今回も当選した宮崎早人さん(73)は「振り返れば、当時は怖い物知らずだった。村議の平均年齢は周辺自治体の中で一番高かったので、村にとっていいこと」と話した。(遠藤和希)