焼き肉の極意はたれと焼き方 家のフライパンであの味に

編集委員・長沢美津子
写真・図版
焼き肉=合田昌弘撮影

記事の後半で、作り方のポイントを動画でご覧いただけます

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ごはんラボ 焼き肉

 幅広い世代に人気のメニューには、その料理ならではのいい香りや心地よい食感があるものです。目指す「あの味」の再現に、はずせない調理のポイントはどこか、4回で探ります。

 初回は、ごはんと食べたい「焼き肉」です。専門店の世界はさておき、身近な調味料と、いつものフライパンを効果的に使えば、香ばしくパンチのきいた味わいが楽しめます。

 牛肉でも豚肉でも、たれは少し甘めの配合がごはんに合います。しょうゆをベースに、砂糖だけでなく、みりんを使ってうまみを強め、アルコールの働きが肉の臭みも消します。刺激、コク、まろやかさなど、風味づけの材料はニンニク、コショウ、ゴマで。加熱によって存在感が際立ちます。

 薄い肉の焼き方は、フライパンを十分に温めて手早く。肉の水分が蒸発する前に火を通し、たれが焦げる前に完成です。

 アレンジは、同じたれでひき肉を炒めた和風の「ビビンバ」です。(編集委員・長沢美津子

焼き肉

材料・2人前 料理監修:料理研究家・渡辺あきこさん

□ しょうゆ 大さじ3

□ 砂糖 大さじ1と1/3

□ みりん 大さじ1

□ 湯 大さじ1

□ ゴマ油 大さじ1

□ 白すりゴマ 小さじ1

□ おろしニンニク 小さじ1/2

□ コショウ 少々

□ 牛焼き肉用 300g

□ 油 適量

【作り方】

①焼き肉のたれを作る。最初に砂糖と湯を混ぜ、砂糖を溶かしてから他の調味料を加える。清潔な保存容器で作れば、冷蔵庫で1週間ほど保存できる。

たれは、しょうゆ、甘み、プラス香辛料。ゴマ油のほか、すりゴマを加える効果で、たれに適度なとろみがつく=合田昌弘撮影

②薄い肉を使うので、焼く直前に冷蔵庫から出すと形が崩れず扱いやすい。1回に焼く分をバットに重ならないように並べる。

③焼き肉のたれをスプーンで肉の表面に薄く塗る。箸で1枚ずつ持ち上げて、たれを下の面にもなじませる。

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④フライパンに油を小さじ1/2入れて点火、油がサラサラ動くまで十分温まったら中火に。肉を入れるとジューッと勢いのいい音がする。鍋肌の熱を肉に移すように、箸で肉を動かしながら焼き色を付けて返す。同様に焼き色を付け、すぐ取り出す。この作業を繰り返すなかで、鍋肌が焦げついたらペーパーでふいて油を少し足す。

フライパンの温度を下げないよう、一度に焼く肉は3~4枚で。箸で軽く押しつけると、むらなくこんがり=合田昌弘撮影

*1人前約580kcal、塩分2.1g(栄養計算:女子栄養大学栄養クリニック)

ひき肉ビビンバ(2人前)

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ひき肉ビビンバ=合田昌弘撮影

 鍋に牛ひき肉100gと焼き肉のたれ大さじ2を入れ、混ぜながら中火で肉を炒める。ミツバ1束を長さ3cmに切って30秒ゆで、水にとってからよくしぼり、塩少々とゴマ油小さじ1をまぶす。茶わんに1人前ずつ温かいごはんを盛り、ゴマ油少々をかける。ひき肉、ミツバ、甘酢ショウガ適量をのせ、コチュジャンを添える。

Cookery Science

 焼き肉のたれの食欲をそそる香り。その一つの要素が、しょうゆやみりんなど、使う調味料に含まれるアミノ酸と糖が反応することで起きるアミノカルボニル(メイラード)反応だ。しょうゆやみりんを単体で加熱するよりも反応は進みやすく、香りのほか味わいの複雑さも増す。(調理科学監修:石川伸一・宮城大学教授)

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焼き肉のたれの「よい香り」は?

Topic  おいしさを「因数分解」すると…

 「人気料理の味分析」シリーズの調理科学監修は、宮城大学の石川伸一教授です。調理の工程に物理や化学の成果を応用する「分子調理学」を研究し、著書に「料理と科学のおいしい出会い」などがあります。

 料理のおいしさを「因数分解して考える」という石川さん。焼き肉については材料にたんぱく質や脂質、糖など、カロリーが高くて人間が生きるために欲する栄養成分が豊富なことに注目します。「肉やたれが焼けるにおいに、これを食べると生存に有利だというサインを受け取っているのではないでしょうか」

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