甲子園が高校の公式戦初登板 敦賀気比のピンチ救った

大西明梨
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(24日、選抜高校野球 常総学院9-5敦賀気比)

 序盤でいきなり4失点。劣勢をはね返し、大激戦への流れを作ったのは、高校での公式戦初登板の本田克選手(3年)だった。

 四回2死一、二塁でマウンドへ。

 誰もが驚きそうな起用だが、東哲平監督には確信があった。中学時代に投手経験があり、昨秋以降の練習試合で好投。東監督は「先発(の竹松明良選手)がダメだったら、次の投手として決めていた」。

 指揮官の思いに応えるように本田選手は躍動する。「この舞台でやらせてもらって最後は気持ちでと思った」。右腕をしならせ、直球と切れのあるスライダーで次打者を三振。五回からの3イニングも無安打に。その力投に背中を押されるように打線も奮起し、延長戦へと持ち込んだ。

 父・達弥さん(48)と兄・凱(かいと)さん(22)が野球をしていた影響で自身も始めた。2015年の敦賀気比の選抜優勝に刺激を受け、「自分も甲子園に行きたい」と入学。線が細かったが、寮生活での毎晩のどんぶり飯2杯と、厳しいウェートトレーニングで体重は入学時から約10キロ増えた。

 父も兄も成しえなかった甲子園出場だ。この日の本田選手の雄姿を家族はスタンドから見守り、達弥さんは「感動しました。お疲れ様と言いたい」。

 試合後、東監督も「すごくいいピッチングだった」と評価したが、本田選手は「最後の方は切れが悪くなった。相手が一枚上手だった。夏にまた思いっきりやりたい」。この大舞台で、改めてレベルアップした自分を見せつけるつもりだ。(大西明梨)