海外客だけじゃない 東京五輪「完全な形」から様変わり

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岡戸佑樹
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 25日に聖火リレーが始まった東京オリンピック(五輪)。コロナ禍で海外客の受け入れを断念し、「完全な形」での開催は崩れた。招致時の計画と照らし合わせると、他にも大会のコンセプトや費用面で大きく様変わりしている。当初、思い描いた五輪のカタチとの違いとは――。

 大会を招致した東京都が当時、最もアピールしたのが「世界一コンパクトな五輪」だった。

 2013年9月にアルゼンチンのブエノスアイレスであった国際オリンピック委員会(IOC)総会。滝川クリステルさんがジェスチャーを交えて「お・も・て・な・し」と語った場面を覚えている人も多いだろう。その最終プレゼンテーションで、東京が主張したのが、東京圏にある33競技会場のうち28会場が選手村から半径8キロ以内に集中するコンパクトな配置だった。この公約が招致を勝ち取った要因のひとつとされた。

 ところが、東京湾で行う予定だったセーリングで、防潮堤に巨額の費用が必要とわかり、神奈川・江の島に移すなど、競技会場が相次いで変更となった。

 19年11月には「暑さ対策」を理由に、五輪の花形競技であるマラソン・競歩の会場を東京から札幌に移すことも決まった。

 移転方針について、IOC側は大会組織委員会の森喜朗会長(当時)に先に伝え、都側が知らされたのは「通告に近い形」(都関係者)だった。小池百合子都知事は当時、「都として同意できないが、IOCの決定は妨げない。あえて申し上げるなら合意なき決定だ」と述べていた。

 都民の関心が高い費用面でも、その説明は大きく変わった。

 都を中心につくった招致計画の段階で、見積もられていた開催費用は全体で7340億円だった。猪瀬直樹知事(当時)は都が積み立てていた準備金約4千億円を念頭に、「45億ドルを銀行にキャッシュで預けてある」と、都の財政力をアピール。しかし、関係者の間では「(7340億円で)足りるはずがない」との声があった。見積もりが甘かったうえ、含まれていなかった経費も多く、開催決定後に予算が膨れ上がった。

 さらに、コロナ禍で大会が1年延期になったことを受け、組織委は昨年末、新たに2940億円が必要になり、大会経費の総額は1兆6440億円に増えたと発表した。

 これとは別に、会計検査院が…

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