「天国の家族にも見えたかな」 聖火掲げ、福島を走った

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飯島啓史
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 東京五輪聖火リレー初日の最終区間となった福島県南相馬市の農家上野敬幸(たかゆき)さん(48)は二つの思いを込めて地元を走った。一つは震災で亡くした家族4人に笑顔を届けるため。もう一つは「東北の教訓」を世界の人に伝え、自身と同じ思いをさせないために。

 10年前、市内は9メートルを超す津波に襲われ、沿岸部の自宅にいた子ども2人と両親がさらわれた。長女の永吏可(えりか)さん(当時8)と母は数日後に見つかったが、長男の倖太郎(こうたろう)さん(同3)と父は不明のままだ。

 大きな揺れの後、上野さんは職場の農協から自宅に戻った。家族の無事を確認し、消防団の活動に出かけた。「なぜ、家族を守ることができなかったのか」。自責の念に駆られ、何度も自身に問いかけた。

 支えとなったのが、震災前か…

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