大正時代から続く日本の香水作り アロマコロジーも活用

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聞き手・原島由美子
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資生堂研究員 福喜多祐子さん

 資生堂は「日本人による最初の本格的な香水」といわれる「花椿(はなつばき)」を1917(大正6)年に生み出しました。文化人でもあった初代社長の福原信三が視覚には絵画、聴覚に音楽などがあるのだから、嗅覚(きゅうかく)にも芸術が必要と考え、日本人に合った香りづくりを始めました。会社のシンボルマークでもあるツバキ、続いて梅、藤と日本を代表する花々をあしらった香水を総合芸術品として世に送り出しました。

ふくきた ゆうこ 2005年、東工大大学院修了後、資生堂に入社。18年からブランド価値開発研究所で、ブランド「SHISEIDO」などの香料開発担当。

 私は2005年に入社後、化粧品素材などの研究開発を担当しました。香りを本格的に研究したい、と思ったのは育児休業中です。赤ちゃんのにおいが「食べちゃいたい」と思うくらい、すごくよかった。やみつきになるような香りが出ているのかな、と研究者としての関心が高まりました。復職後の17年から香りの研究を始め、今はアロマコロジーを生かした商品開発を手掛けています。

 アロマコロジーは、香りをかいだ人の心拍や脳波などを計測し、被験者の心理、生理、行動がどう変化するかを科学的に明らかにする研究です。資生堂は1980年代から取り組み、皮膚や交感神経の活性化、睡眠不調を緩和する働きなども発見してきました。

 東日本大震災の3年後、岩手県大船渡市の被災地で行った実証実験では、住民の方々に市の花でもあるツバキの香り成分が入ったスプレーを2週間、就寝前に体や枕などに一吹きしてもらいました。不眠や不安が和らぎ、睡眠状態や起床時の気分や体調も良くなったことが裏付けられました。

 香りは目に見えないし、言葉…

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