東電社長「適格性への疑念、ごもっとも」 柏崎刈羽問題

長橋亮文、杉山歩、高橋俊成
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 新潟県の花角英世知事が25日、東京電力の小早川智明社長と面会し、東電柏崎刈羽原発で相次ぐ問題を取り上げ、同社が原発を運転する事業者としてふさわしいかを改めて問いただした。同社への強い不信感は県議会でも噴出しており、知事は同社に対する再評価を4月にも国へ直接要望する予定だ。

 「県民の信頼が大きく損なわれた」。25日午前、県庁で小早川社長と面会し、弁解と謝罪を硬い表情で聞いていた花角知事は、こう切り出した。そのうえで「原子炉の運転を適格に遂行する技術的な能力があるのか、疑問符がつくような状況だ」と厳しく指摘した。小早川社長は「適格性に疑念をもたれるのも、ごもっともだ」と応じ、謝罪の言葉を重ねた。面会は約7分で終わった。

 相次ぐ問題を受け、知事はこの間、東電の「能力」が十分かどうかを評価し直す必要性を主張してきた。具体的には、2017年に原子力規制委員会が合格とした原子炉の設置許可までさかのぼった再評価だ。

 25日に閉会した定例県議会では、知事を支えてきた自民党内から東電の「適格性」の再評価を求める声があがった。別の会派からは「知事は原発が存在する自治体の長として厳しい姿勢で臨むべきだ。国に従うばかりなのか」と詰め寄られる場面も。その都度、知事は自らの考えを答弁してきたが、さらに4月にも規制庁長官と面会し、再評価を直接要望する予定だ。

 県幹部によると、この日の面会は当初、一連の問題とは別に、東電側の要請で予定されたものだったという。毎年恒例の年始あいさつが新型コロナ禍の影響で順延され、仕切り直しで設定されたのが緊急事態宣言終了後のこの日だった。

 だが、一連の問題が発覚し、前日の24日には、原子力規制委員会が商業用原発に対しては初の是正措置命令発出を決める事態となり、「謝罪行脚に変わった」(県幹部)。面会での知事の発言は議会答弁の範囲内。それでも、県幹部の一人は「言うべきことをきちっと言った」とねぎらった。

 小早川社長はこの後、国政与党の自民と公明の県議団も訪ね、謝罪した。自民県連の小野峯生幹事長は「原発からの撤退も考えるべきだ」と厳しく指摘した。公明では、同党の柏崎市議が「再稼働を認めてきた市民も多い。謝罪は二度とないようにしてほしい」と詰め寄った。

 その後、取材に応じた小早川社長は、原発事業からの撤退の可能性を問われ、「まずは発電所を立て直す」と答えた。めざしてきた同原発再稼働の時期については「未定」とした。(長橋亮文、杉山歩、高橋俊成)