鶴竜、ライバルへ感謝 「張り合いがある人がいた」 

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 「今思うと、悔いは全くない。やれることは全部やれた」。25日、東京・国技館で引退会見に臨んだ元横綱鶴竜。オンラインで報道陣とやりとりするその表情には、肩の荷を下ろした安堵(あんど)感が広がっていた。

 1年前の春場所で皆勤して以降、度重なるけがで休場続きだった。ただ「けがさえ治ればまだまだやれるという気持ちもあった」といい、一時は5月に迎える夏場所での再起を誓っていた。だが「けがが長引くとまた体が落ちてしまう。その辺で、気持ちが切れていってしまった」と決断に至る思いを打ち明けた。

 16歳からの約20年。土俵人生を振り返ると、大相撲への感謝が口をついて出た。「夢を持って日本にやって来て、まずは一日でも早く関取になりたくて。その後は幕内に上がりたい、三役に上がりたいと夢がどんどん広がって。最後は横綱にまで上がることができた。人間としても、男としても、お相撲さんとしても成長させてもらった」

 来日前、日本語に訳した手紙を日本の関係者へ送ったエピソードにも触れた。「その1通の手紙から始まったわけで。手紙に『もし拾ってくれたら一生懸命頑張りますから』と書いた言葉を守ることができたんじゃないかなと今思います。よくここまでやれたなと」

 綱を張った7年間には、白鵬日馬富士稀勢の里との「4横綱時代」を築いた。「先輩が2人もいて、後輩も1人いて。どっちにも負けないぞ、自分も頑張らなきゃっていう、張り合いがある人がいてくれてたからここまで長く相撲を取れた」と語った。

 会見の終盤、4横綱でただ一人現役を続ける白鵬についても質問が飛んだ。同じ年生まれの元横綱は「たくさん優勝している人ですから、また結果を残してくれるんじゃないかなと自分は期待を持っています」とエールを送った。