照ノ富士、史上最大の復活へ 大関だけ見て歩んだ2年間

波戸健一
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 (25日、大相撲春場所12日目)

 大関返り咲きをめざす関脇照ノ富士が9勝目。大関昇進の目安とされる「直近3場所を三役で33勝」に到達した。

 史上最大のカムバックに大きく前進した。照ノ富士が9勝目を挙げ、直近2場所と合計で33勝に届いた。「33勝に乗らない限りは大関復帰はない。そこを目指して頑張ってきた」。同じ言葉を繰り返し、目標にしていた白星をかみ締めた。

 是が非でも勝つ。照ノ富士の執念が呼んだ1勝だった。玉鷲との激しい相撲。小手に振られてもこらえ、強烈なのどわで俵を背負っても踏ん張った。後ろに下がる動きは古傷のひざに負担になるが、「精いっぱい臨んだ」と照ノ富士。逆転の突き落としが決まった。

 2年前の春場所は、どん底からの再出発だった。両ひざの大けがや内臓の病気で4場所連続で全休し、序二段48枚目で復帰。世話をしてくれる付け人はいなくなり、大関時代は200万円を超えていた月給もなくなった。観客もまばらな午前中、黒まわしにちょんまげ姿で土俵に上がった。

 そこから12場所。一度も負け越さず、再び番付を上げてきた。三役に戻った先々場所は小結で13勝、そして先場所は関脇で11勝。「24時間、ずっと相撲を考えて、できることをやっている」。大関復帰だけを見据えてきた。

 15日制が定着した1949年以降、直近場所を1桁の勝利で大関に昇進した例はない。「引き締めて頑張りたい」と照ノ富士の表情は緩まなかった。「頑張ってほしいね。ホッとしないでね」と八角理事長(元横綱北勝海)。残り3日、さらに白星を積み上げたい。(波戸健一)