再エネに切り替えてもコスト増えず? 中小企業の脱炭素

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藤波優
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 再生可能エネルギー由来の電気に切り替えても、電気代はあまり変わらなかった――。そんな事例が中小企業の間で出てきた。再エネは「コストが高い」と思われがちだが、いったいどういうことなのか。そこには、中小企業ならではの理由があった。

 福岡市住宅メーカー「エコワークス」は昨年5月、使用電力を、再エネ100%の契約に切り替えた。同社は従業員約80人の中小企業で、福岡と熊本にあるオフィスやモデルルームなど17カ所の電気代が、年間400万円ほどだった。

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福岡市のエコワークス本社は発電や省エネでエネルギー収支を実質ゼロにする「ZEB」を実現した=エコワークス提供

 小山貴史社長によると、再エネに切り替えた場合、使用量や使用する時間帯の違いで、拠点ごとに、電気代が安くなる場所と高くなる場所があったという。全体を切り替えても3%ほどしか上がらないことがわかり「3%なんて誤差の範囲。思っていたより安く、それくらいなら全部やろうと踏み切った」と話す。

 ただ、市場連動型の料金プランだったので、春から夏は見積もりよりも安くなったが、今冬、卸電力市場の取引価格が高騰し、電気代が跳ね上がった。そのため、一時的に元の電力会社に戻した。

 小山さんは「中小企業は大企業と比べて、もともと消費電力が少ないので1キロワット時あたりの価格が割高になっているところが多い。今冬の値上がりは特異的だったが、コストはそれほど変わらずに切り替えられるところもあるだろう」と話す。社員の意識も高まっており、今後も、電気自動車の導入など、未来のために、業界をリードしていきたいと意気込む。

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新潟県の中学校のSDGs(持続可能な開発目標)の授業で、中学生と交流するエコワークスの小山貴史社長(左)=2019年9月、エコワークス提供

 一方、再エネの導入が現時点では売り上げにはあまりつながらないことを課題にあげる。「商品やサービスの競争に優位な要素とは言えない。中小に普及させるには、何かしらのメリットやアピールできる場が必要。自治体が企業の取り組みを表彰する制度などがあればよいのでは」と話す。

■コストをどうやって抑えるか…

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