世界初の自動運転、どう実現? ホンダ開発責任者に聞く

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聞き手・稲垣千駿
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 世界初となるレベル3の自動運転技術を搭載した車は、どのように生まれたのか。ホンダで自動運転の開発責任者を務める杉本洋一氏に話を聞いた。

 ――レベル3の技術の難しさはどこにありますか。

 レベル2と3の違いは操縦の主体にある。2までは運転者で、3からはシステムになる。その間には、てっぺんが見えないぐらい高い壁がある。安全確保はどこまでやれば十分か、判断が難しい。

 (高速道路でシステムが作動する最高速度は時速60キロといった)国土交通省が示したガイドラインが足がかりになった。ここに「合理的に予見可能で防止可能な衝突を起こさないことを証明すること」とある。分かりやすく言えば、自ら事故を起こさない、ということ。事故のデータを分析し、どんな状況で事故が起きるか考え、時間をかけて「想定外」を潰した。

 約1千万通りのシミュレーションをし、実験車両で日本中の高速道路約130万キロを走った。分析結果をまたシミュレーションにフィードバックし、より高い安全性と信頼性を確保できるシステムを実現できた。

 ――国内大手の市販車で初めて、レーザー光で周りにある物体の形や大きさ、位置を詳細に把握するセンサー「ライダー」も搭載しました。高度なシステムはどんな装備に支えられていますか。

 五つのライダーのほか、ミリ波レーダーという別のセンサーを五つ、カメラを二つ搭載しており、全周囲を検知し、状況を詳細に把握できる。車内にもカメラがあり、運転者の状態を見守る。センサーなどで得た車外の状況、高精度の3D地図や衛星から得た車の位置情報、そして運転者の状態をメインのECU(電子制御装置)が統合して認知、予測、判断し、最適な走行ができるようになっている。

 一つが壊れても、できる限り安全が維持できるように装備を二重三重にした。小型ジェット機「ホンダジェット」で培った信頼性への考え方や、二足歩行ロボット「アシモ」のセンサーを組み合わせる「目」の技術が生きている。

 ――世界初のレベル3ですが…

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