岡山県立高の野球部員自殺「監督の叱責が原因」 調査委

吉川喬、華野優気
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 2012年7月、岡山県立岡山操山(そうざん)高校(岡山市中区)の野球部マネジャーだった2年男子生徒(当時16)が自殺した問題で、県教育委員会が設置した第三者調査委員会は、当時監督だった男性教員が体罰を含む行きすぎた指導で萎縮させたうえ、直前に厳しく叱責(しっせき)したことが原因と認定した。

 第三者委は26日、県や県教委に報告書を提出した。男子生徒が自殺したのは12年7月25日夜。報告書によると、男子生徒は11年春に入学後、選手として野球部に入部。1年生だった秋から、日誌に「自分はチームにとって存在価値がない」と記すなど悩んでいた。

 翌12年春以降は、監督から練習試合前に「声が出せないなら、帰れ」「いらんわ。おまえなんか制服に着替えて帰れ」と怒鳴られるなどの指導を受け、同6月に退部。同級生に誘われるなどして同7月23日にマネジャーとして復帰した。

 復帰3日目の練習後、グラウンドに1人残され、監督から「マネジャーならグラウンドから目を離すな」「きちんと仕事をしろ」などと叱責された。生徒は一緒に下校した部員に「もう俺はマネジャーじゃない。存在してるだけだ」と言って別れた後、自殺した。

 第三者委は以前から監督を怖がっていた生徒が、このグラウンドでの激しい叱責で「自分自身の存在価値を改めて否定したものと考えられる」と指摘。自殺の主な原因になったと結論づけた。監督の言動については「教員という立場を利用したハラスメント」とも批判した。

 県教委は自殺の直後に部員や学校関係者らに聞き取り調査をし、指導と自殺の因果関係は不明だとしていた。両親側が再調査を要望し、県教委は17年に第三者委の設置を決定。18年8月に初会合が開かれ、原因などを調べていた。

 第三者委は問題発覚前後の学校や県教委の対応についても「遺族の心情に寄り添っていない」「調査が不十分」などと批判。第三者委の発足まで6年以上経過したことなどを理由に「遺族が知りたいと考える事実すべてを解明することはできなかった」とした。(吉川喬、華野優気)