決勝HR放った強打者、なぜ8番? 福岡大大濠の戦略
(26日、選抜高校野球 福岡大大濠8-4具志川商)
相手投手にとっては、怖い8番打者だ。同点の延長十一回、福岡大大濠の松尾光気(こうき)が左翼へ決勝のソロ本塁打を放った。1回戦から2試合連続の決勝打だ。この一発で高校通算24本塁打だという。なぜ、こんなに長打力のある選手が8番打者なのか。
同点の延長十一回、先頭で打席へ。松尾は狙っていた直球を振り抜いた。「打った瞬間、いい感じでした」。高く上がった打球はぐんぐん伸びて左翼席まで届いた。「毛利(海大)が頑張って投げていたので、得点できて良かった」と胸を張った。
松尾は1回戦の大崎(長崎)戦でも二回に決勝の2点適時打を放っていた。
勝負強いこの背番号8を8番に置くのはなぜか。八木啓伸監督は、二つの理由を挙げる。一つ目は「得点源を打順の中で二つ作りたいから。相手も気が抜けないでしょうし、追加点を奪う役目をお願いしている」。中軸までで得点した後、走者がたまったところでさらに加点したい算段だ。
二つ目は「リラックスした状態で打たせたい」と言った。松尾も「力が入ってしまうんです」と自身の力む癖を認めた。
上位も打ったことがあるだけに、松尾は「最初に8番を言われたときは悔しかったですが、いまはなぜこの打順なのか考えるようになった。下位打線で点が取れたらいい。次の試合も上位につないでいい試合をしたい」。話す姿には自信があふれていた。(坂名信行)
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