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楽天、加盟店とのポイント契約を変更へ 店側の負担増か

中野浩至
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 ネット通販大手「楽天」が、加盟店との間で結ぶ「楽天ポイント」の契約を見直す方針を決め、来年春ごろから適用する見通しとなった。ポイントの多くは加盟店が支払う負担金でまかなわれているが、楽天は国税当局の見解を踏まえ、負担金に消費税がかからない取引に変える。店側は消費税の控除ができなくなり、負担が増える可能性がある。

 楽天ポイントは、会員が加盟店で買い物をすると、楽天から付与される。ポイントは原則、代金の1%が付き、1ポイントを1円として使える。2020年は約4700億ポイントが付与された。

 税込み1万1千円の商品を販売した際の流れはこうだ。①会員が加盟店に1万1千円を支払う②楽天から会員に110ポイントが付与される③加盟店はポイントの負担金110円を楽天に支払う――。ポイントが使われた店には、楽天がこの負担金を原資にポイント相当額を支払っている。

 加盟店が楽天に支払う負担金には、店がポイントサービスを利用する対価として消費税が含まれる。加盟店は、会員ら購入客から受け取った消費税額から、仕入れなどで支払った税額を差し引くが、これまでは負担金に含まれる消費税額も合わせて差し引いていた(仕入れ税額控除)。1万1千円を売り上げた加盟店だと、負担金110円に含まれる消費税10円分も差し引く税額に入れていた。

 だが国税庁は昨年1月、ポイントの税務処理方法を整理する一環で、負担金を消費税の課税対象としない方法を例示。楽天は国税当局への相談を踏まえ、負担金を預かり金とする契約に見直し、一部の加盟店に伝えた。

 新たな契約では、負担金の額は変わらないのに、負担金分の仕入れ税額控除ができなくなる可能性が高い。1万1千円を売り上げた店は、控除していた消費税10円分の負担が増える。負担が増えれば、会員へのサービスが低下しかねない。全国で小売店を展開する会社は数千万円の負担増を見込む。関係者は「新型コロナの影響を大きく受ける中での負担増は納得できない」と話す。

 楽天は朝日新聞の取材に対し課税処理を変更する意向を認めた上で、「様々な影響、特に、店舗などの負担を考慮し、あらゆる選択肢を含めて検討している。変更を行う場合には、十分な告知期間を設けて店舗・加盟店との適切なコミュニケーションを図るが、方針が正式に決定したら、改めてご案内させていただく」とコメントしている。中野浩至