大阪都構想「簡易版」条例、市側でも成立 4月から施行

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 大阪都構想の簡易版といえる広域行政の一元化条例は26日、大阪市議会で採決され、大阪維新の会公明党の賛成多数で可決、成立した。大阪市が権限を持つ都市計画などの事務の一部を大阪府に委託するのが主な内容。同じ条例は府議会ですでに成立しており、4月1日から施行される。

 条例は「二重行政の解消」による大阪の成長・発展を掲げ、市が担っている成長戦略の策定や都市計画の事務の一部を府に委託する。協議の場として、知事が本部長、市長が副本部長を務める「副首都推進本部会議」を設置する。

 条例を推進する維新は、市議会で過半数を持たないため、公明の主張を全面的に受け入れ、府と市が「対等の立場」と明記するなど条例を修正した。

 さらに、公明が提案した付帯決議も付した。府に委託する都市計画の決定に際して大阪市の意見を聴くことや、府と市に事務が分かれて事業者の手続きが煩雑にならないよう「ワンストップ窓口」を設置することなどが盛り込まれた。

 大阪市松井一郎市長は条例成立後、記者団に「二重行政のリスクを抑えるためのルールとして、よくできた条例が成立した。制度論はいったんここで終了」と述べた。いまの市内24の行政区を合区して再編し、権限と財源を強化する「総合区」の導入については、「市議会で過半数がなく、旗を振っても空回りになる」として、2023年までの市長在任中の提案には否定的な考えを示した。

 一方、自民党共産党などは「住民投票の(都構想否決という)結果を踏みにじる」「自己決定権の放棄だ」などと条例に反対した。

 神戸大の砂原庸介教授(政治学)は、条例について「府と市が連携して行政運営にあたる現状を大きく変える内容ではないが、オープンな場で協議して大阪の課題を設定できるようになる」と話す。ただ、会議が機能するためには、知事と市長が協力関係にあり、それぞれの議会で過半数の勢力に支えられていることが前提になると指摘する。