高校生で一人暮らし、野球のために 炊事洗濯お手の物 

滝沢貴大
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(26日、選抜高校野球 明豊2-1市和歌山)

 第7日の26日に登場した市和歌山には、実家が遠いため一人暮らしをしたり、片道1時間半かけて通学したりする部員がいる。公立校で、私立の強豪校のような学生寮がないからだ。それでも選手たちは県内各地から集まり、甲子園という舞台に立った。

 右翼手の吉見和航(わたる)選手(3年)の自宅は和歌山県橋本市にある。奈良県大阪府の境で、和歌山市にある同校から40キロほど離れており、自宅と学校の往復に約3時間かかる。午前5時に起き、最寄り駅まで親に車で送ってもらう。電車内で仮眠する。

 練習で遅くなった時は帰宅が午後10時を回ることもある。親が運転する車内で晩ご飯を食べる。「最初はめちゃくちゃ大変だったけど、2年で慣れた。両親の支えあってのことです」

 甲子園への近道と信じて市和歌山を選んだ。猛練習でポジションをつかみ、甲子園の初戦で自身の初安打を放った。この日の明豊(大分)戦は惜敗し、自身もヒットはなし。「(エースの)小園に頼り切りだった。夏に向けてもっと打てるようになりたい」

 和歌山県では高校に学区がなく、市和歌山にも全県から進める。

 大池悠太選手(2年)は学校近くで一人暮らしする。自分で毎朝、ご飯を5合炊き、おにぎりを作ってから学校へ向かう。帰宅してから洗濯し、時間がある時に掃除する。「練習を終えてからの洗濯は一番しんどかった。どうすれば段取り良く動けるか、考える力が身についた」

 実家は学校から南に60キロ以上離れ、ウメで知られる上富田町にある。学校に寮がないのは知っていた。試合を見学したり、知人に聞いたりして「自分で考える野球にひかれた」。進学に迷いはなかった。

 たどり着いた甲子園。初戦は先発出場し、この日は出場機会はなかったが、ベンチで手をたたき、チームを鼓舞した。(滝沢貴大)