借金苦で自殺未遂…一匹の子犬が救った 経験を小説に

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 秋田県内在住の作家タカハシバイロンさんは昨年、「マーカスがおしえてくれた」(文芸社)という本を出版した。借金苦で自殺未遂をし、うつ病と診断された中年男性が、犬を飼うことで立ち直っていく物語だ。

 小説は、家から出られずテレビばかり見ている夫を見かねた妻が「子犬を飼おう」と言い出し、夫婦でペットショップに出かける1日から始まる。子犬は店から帰る途中に車から飛び出すなど、初日からやんちゃぶりを発揮する。男性は「マーカス」と名付けた子犬の世話に振り回される。

 子犬との日々が日記のような形式で描かれ、読み進めるうちに、主人公の置かれた状況が見えてくる。

 男性は親族の連帯保証人になって多大な借金を背負った。家族に借金を打ち明けられない中、金融機関からは返済を求める催促が続き、自分の生命保険で返済しようと自殺を試みた。命を取り留めたが、自殺未遂したことが世間に知られると心ない言葉をかける人もいて、家の外にも出られなくなった。

 そうした男性の生活が、やんちゃな子犬が家族の一員になったことで変化する。妻には仕事があり、子犬の世話は男性がしなければならない。えさをやり、ふんを片付け、風呂に入れる。散歩のためには勇気を出して家の外にも出なければならない。そうした日々を通じ、男性はもう一度、前向きな気持ちを取り戻していく。

 小説の設定は創作だが、自殺未遂をした作者の経験が基になっている。タカハシさんも借金の悩みと不安で眠れなくなり、体重がどんどん落ち、ある日、衝動的に自殺を試みた。妻に発見されて一命を取り留めたが、その後、うつ病と診断され、抗うつ剤を手放せなくなった。

 「なぜ死なねばならないのか…

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