激しい一番、慌てて落とした高安 賜杯の行方は大混戦に

松本龍三郎
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 大相撲春場所(東京・国技館)13日目の26日、首位から1差以内に7人がひしめく混戦に。ただ一人2敗だった高安が平幕若隆景に敗れ、大関正代を圧倒した関脇照ノ富士が追いついた。

 (26日、大相撲春場所13日目)

 唯一の2敗だった高安が平幕若隆景に敗れ、関脇照ノ富士に並ばれた。

 一時は後続に2差をつけたリードが消えた。初優勝を狙う高安は重苦しい展開のなか、残る2日を戦わなければならなくなった。

 この日の一番は激しかった。しぶとくおっつけてくる若隆景に、突いて圧力をかける。だが回り込んで動きを止めない相手に手を焼き、右を差されて後ずさり。俵を背負いながら最後は強引に小手に振ったが、先に崩れたのは自分だった。

 「少し硬かったかなあ。慌てていましたね。もっとどっしり取りたかった」と土俵下で見届けた藤島審判長(元大関武双山)。高安の気持ちを「この一番は大きい。ショックだと思います」と推し量った。

 大関経験者の高安だ。優勝争いの経験はもちろんある。ただ、終盤に単独トップに立つのは初めてだった。11日目、連勝が9で止まり1差に迫られた。星を伸ばした12日目は優勝争いについて「なるようにしかならない」と語ったが、追いつかれたこの日は取材に応じず国技館を後にした。

 追われる側の重圧を一身に感じたことだろう。藤島審判長はこうも説いた。「優勝争いは経験しているけど、単独トップからのそういう(追いつかれた時の)切り替えはどうなのかな。難しいですよね」

 1差の4敗勢5人を含め、一気に混迷が深まった賜杯(しはい)争い。今の高安に必要なのは、八角理事長(元横綱北勝海)が言う意識だろう。「逆に開き直って2日間しっかりやると。振り出しという気持ちで」(松本龍三郎)