公式戦初打席でチーム初安打 打線に火をつけた2年生

山口裕起
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(27日、選抜高校野球 智弁学園5-2広島新庄)

智弁学園・中陳六斗(なかじんりくと)二塁手

 内角高めの球をひっぱたくと、左翼線の芝で打球が弾んだ。三回1死。チームの約束事は「外角球を狙う」だったが、公式戦初打席の8番打者は「最初のストライクはぜんぶ振る」と決めていた。チーム初安打で打線に火をつけた。

 大会直前にけがをした選手に代わってメンバー入りした。1回戦は出番がなかったが、小坂将商監督は期待していた。「彼はファイター。チャンスをつかんだので何か持っているかなと思って起用した」

 もっていた。四回の第2打席は1死三塁から中犠飛を放ち、六回の第3打席は一塁へ頭から滑り込んで内野安打をもぎ取る。二塁の守備では8度も打球が飛んできた。エラーもしたが、併殺もとった。盗塁も決めた。

 たまたまではない。冬場は1日1200スイング。ベンチ入りする選手が使い終わった後のネットで、ティー打撃をするのが日課だった。身長166センチ、体重75キロ。チームの先発メンバーで唯一の2年生は「ミスもしたけど、いっぱい動き回れて楽しかった」。背番号17のユニホームは上着もズボンも、一人だけ真っ黒だった。(山口裕起)