甲子園は監督も育ててくれる、ぼくも学んだ 高嶋仁の目

前・智弁和歌山監督
[PR]

(27日、選抜高校野球 中京大中京15ー5常総学院)

 中京大中京はバントがうまいですね。今日の高橋源一郎監督は徹底的に送りバントを使いました。

 これが生きましたね。やっぱり二塁や三塁に走者がいると、相手は重圧がかかります。落ちる変化球が投げづらくなったり、低めに投げきれなくなったりします。打者有利な状況をつくり、タイムリーを引き出しました。

 もちろん、送りバントがすべていいわけではありません。試合展開が膠着(こうちゃく)して突破口を開かなければならなかったりするケースはあります。だけど、中京大中京には畔柳(くろやなぎ)亨丞(きょうすけ)という安定感のある好投手がいる。着実に得点を重ねるのが得策と考えたのでしょう。高橋監督は先制したあとも、確実に走者を進めました。そして大量リードを作った。

 そうして八回から畔柳君を休ませ、他の投手に切り替えました。力投派で疲れも見えましたし、投球数制限もあります。ちょっとばたつきましたが、ええ試合運びだったと思います。

 常総学院の島田直也監督は昨年7月に就任して、監督として初めての甲子園ですよね。1勝1敗。勝ったのも負けたのも、すべていい経験になっているでしょう。ベンチの中で、色々と考えを巡らせているでしょう。

 投手陣がつかまったのもありますが、打線も畔柳君の球威に力負けしていた。もう一段階上を目指して、一からやり直そうと思っているはずです。

 甲子園は選手はもちろん、監督も育ててくれます。ぼくもたくさんのことを学びました。(前・智弁和歌山監督)