火星でヘリコプター飛行実験 NASA、4月8日ごろに

ワシントン=合田禄
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 火星に探査車の着陸を成功させた米航空宇宙局(NASA)が、探査車に搭載していた小型ヘリコプターの飛行実験を4月8日ごろに実施すると発表した。火星は重力が地球の4割しかないものの、大気も1%ほどの薄さで、ヘリが本当に浮力を得られるのかが注目される。成功すれば、探査車ではたどり着けない地形や広範囲の偵察にも道が開けそうだ。

 ヘリの名前は「インジェニュイティ(創造力)」。探査車パーサビアランス(忍耐)に内蔵され、2月に着陸していた。地球上での重さは約1・8キロで、炭素繊維でつくられた2対のプロペラと太陽光パネル、カメラを備えている。

 発表によると、地球以外で初の動力つき飛行となる実験は、4月8日ごろの見通し。地表から3メートルほど浮き上がり、空中でしばらく静止(ホバリング)して着陸する。この間、断続的に写真も撮影する。近くで見守る探査車からも、ヘリの飛行シーンが写真や映像で送られてきそうだ。

 NASAは将来的に、ヘリを火星での人員や物資輸送に使いたい考えだ。ジェット推進研究所(JPL)のボブ・バララム・火星ヘリコプターチーフエンジニアは「ライト兄弟が航空機という移動手段をもたらしたように、インジェニュイティが火星での空中移動の可能性を広げてくれることを期待している」と話した。

 飛行のイメージ動画は、朝日新聞宇宙部のユーチューブチャンネル(https://youtu.be/XaFFG1514pU別ウインドウで開きます)から見られる。(ワシントン=合田禄)

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