2度目の聖火ランナーの矢吹正男さん

田中基之、飯島啓史
[PR]

 福島県矢吹町の矢吹正男さん(74)は27日、1964年東京五輪に続き、聖火ランナーとして白河市を走った。「人生で2回も聖火ランナーができるなんて、夢のよう」と語った。

 57年前は白河農工高校(現白河実高校)の3年生で、陸上部員だった。バットをトーチに見立て、グラウンドで1カ月ほど練習した。約2キロを走り、沿道は約10万人が埋め尽くしたと伝わる。「五輪がどんなものか知りませんでした。とにかく沿道の人がすごかったことを覚えています」と振り返る。

 一方、今回はコロナ対策のため、沿道での応援は限定された。しかし、「矢吹正男君 2回目おめでとう」の横断幕を掲げる当時の陸上部の仲間たちの姿もあり、矢吹さんは「沿道のみなさんの顔を見ながら、前回よりも気持ちよく走れた」と振り返った。

 昨年は県公募やスポンサー枠の聖火ランナーに10件ほど応募したが、すべて落選した。しかし、内定者がPRランナーに繰り上がったことによって出番が回ってきた。県から2月に電話があった際は、「本当なのか眠れなくなって、かかってきた電話番号をネットで調べました」と笑う。

 前回のリレーで使ったトーチは大切に保管している。今後、自宅には新旧二つのトーチが家宝として飾られる。(田中基之、飯島啓史)