どん底の民宿に匿名の書留 600キロ先の思い、家宝に

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福冨旅史
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 お役に立てて下さい――。千葉県南房総市千倉(ちくら)町の民宿に1月、1通の封筒が届いた。送り主は「とく名」。中には短いメッセージが書かれた手紙と、現金約2万5千円が入っていた。その封筒が、台風被害とコロナ禍に苦しむ経営者の背中を押した。

 封筒が届いたのは、創業52年の民宿「政右エ門(まさえもん)」。経営者の堀江洋一さん(53)は1月31日昼ごろ、郵便配達員から見慣れない黄色の現金書留を受け取った。

 消印の地名は「弘前本町」。「青森県に知人はいない。中身は何だろう」。封を開けると、現金2万5193円と手紙が入っていた。

 《拝啓 昨年の新聞の記事をよみました。少しばかりですが、お役に立てて下さい。 かしこ》

 「ひょっとしてあの記事かな」。堀江さんには心当たりがあった。昨年9月9日、朝日新聞の朝刊社会面に載った記事だ。「『終わりない暗闇』生きる 台風15号から1年」の見出しで、相次いだ台風とコロナ禍で苦境に立たされている宿泊業者の一つとして「政右エ門」を伝えていた。

 新鮮な伊勢エビやアワビなどの海産物が売りの人気宿だった。

 だが、2019年秋、県内を…

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