3敗守った照ノ富士 両ひざには古傷、本割で決めたいV

小俣勇貴
[PR]

 大相撲春場所14日目の27日、関脇照ノ富士が大関朝乃山を破り、3敗を堅持。単独首位に立った。

 土俵下で待つ照ノ富士は、じっと目をつぶっていた。貴景勝が4敗を守った後、結びへ。「人のことを気にする余裕はない。自分のことで精いっぱい」。言葉とは裏腹に、落ち着き払っていた。

 朝乃山との立ち合い。右を差すと、相手がとりたかった上手を徹底的に封じた。かいなを返しながら、圧力をかけていく。最後は寄り切り。八角理事長(元横綱北勝海)が「相撲がうまかった。終始、照ノ富士の流れだった」と認める完勝だった。

 3敗で並んでいた高安は後退。自身も負ければ、1差以内に11人がひしめく大混戦の構図になるところだった。そうなれば、両横綱が不在とはいえ、突き抜ける力士がいない「物足りない場所」と記憶されても仕方がない。そんな不名誉を避ける白星で、優勝争いは4人に絞られた。

 単独首位で迎える千秋楽照ノ富士にはもう一つ、越えるべき山が残っている。過去3度の優勝決定戦は、一度も勝てていない。両ひざには、大関から序二段まで落ちる原因となった古傷を抱えている。負担を考えれば、是が非でも本割で決めたいところ。相手は本割で1勝2敗、昨年11月場所の決定戦でも敗れた貴景勝だ。

 意気込みを問われた照ノ富士は、「あと1日、頑張ります」と言葉少なに語った。念願だった大関への復活劇も佳境。3度目の幕内優勝で飾れるか。小俣勇貴