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 2017年3月、栃木県那須町で雪崩が起き、大田原高校の山岳部員と引率教員の8人が犠牲になった事故は27日、発生から4年を迎える。これまで遺族と県教育委員会側は別々に追悼式を開いてきたが、26日、初めて合同で開いた。雪や強風が吹き付ける中、遺族や県教委関係者は現場を見上げ、8人の死を悼んだ。

 午後2時半に始まった追悼式には7遺族や荒川政利県教育長、丸茂博県高体連会長ら46人が参加した。代表者が順番に式辞を読み上げた。

 遺族代表の奥友子さん(49)は、高1だった息子公輝(まさき)さん(当時16)を「要領が良くなくても努力をする子どもだった。大田原高校で過ごした日々はかけがえのないものだったはず。だからこそ悔しい。3年間高校に通わせて、きちんと卒業させてあげたかった」と言葉を絞り出した。

 さらに「まだ一緒に追悼式をやりたいという気持ちではなかった。県教委との4年間のやりとりは合意できることが少なく、ただ時間だけが過ぎてしまった。息子たちの死を決して無駄にしたくはありません。この事故を風化させてはいけないと、これからも声を大にして叫び続ける必要がある」と読み上げた。

 荒れた空を見上げながら高瀬淳生さん(当時16)の母晶子さん(54)は「こんなに風が吹いているのは子どもたちが怒っているからですか。私たちは彼らに恥ずかしくない生き方をしなければいけない」と語りかけた。

 式典後、取材に応じた荒川教育長は「遺族が心底から合同開催を受け入れてくれたとは思っていない。事故を風化させてはならないという目的を達成するために了解していただき、ありがたく思っている」と話した。山岳部副顧問で引率教員だった毛塚優甫(ゆうすけ)さん(当時29)の父辰幸さん(68)は「県教委などの関係者が、今後も再発防止につとめると8人の前で言ってくれた。今日の目的の一つが達成できたのでは」。

 遺族は、事故が起きた講習会で指導していた責任者ら3教諭=業務上過失致死傷容疑で書類送検=の出席を求めたが、3人は姿を見せなかった。奥公輝さんの父・勝さん(49)は「事故を忘れているのだろうか。彼らと対話しようと思って始めた調停の目的も全く果たせていない」と嘆いた。荒川教育長は「3人の立場は非常に複雑で、それぞれの思いがあると思う。3人と我々と遺族が合同で哀悼の意を捧げる日が来ることを信じている」と話した。(平賀拓史)

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