イランと中国、25年間の連携協定 米国牽制の思惑一致

テヘラン=飯島健太
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 中国とイランは27日、今後25年間にわたり経済や安全保障などの分野で連携を深める包括協定を結んだ。米国との対立を深める中国と、核合意問題などで米国と緊張を抱える地域大国イランが、対米牽制(けんせい)に向け戦略的な協力関係を強める。

 中東6カ国歴訪でテヘラン入りした中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相が同日、イランのザリフ外相と会談し、協定に署名した。

 協定の具体的な内容は明らかになっていないが、米国メディアなどによると、双方は中国がエネルギー分野や鉄道、高速通信規格5Gなどの整備に25年間で約4千億ドル(約44兆円)を投資する見返りに、イランが原油やガスを中国に低価格で供給する方向で協議していた。合同軍事演習の実施など、安全保障分野での連携も盛り込まれているとの地元報道もある。

 構想は2016年に習近平(シーチンピン)国家主席ロハニ大統領が合意した「全面戦略パートナーシップ共同声明」で動き出し、双方が調整を続けていた。

 イランは核合意の履行をめぐり、米バイデン政権に制裁の解除を求めているが進展がない。制裁により経済が疲弊する中、核開発の拡大や査察の制限により米国を揺さぶってきた。今回の合意により対米圧力を強め、今後の交渉を少しでも有利にしたい思惑が透ける。また、中国はバイデン政権との関係改善が見通せないなか、イランへの影響力を増すことで米国への「外交カード」とする狙いがあるとみられる。(テヘラン=飯島健太)