祖父は春夏連覇の監督 孫の活躍で中京大中京が返り咲き

上山浩也
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(27日、選抜高校野球 中京大中京15ー5常総学院)

 4安打3得点。中京大中京の杉浦泰文選手(3年)は、「自分はそんなに打つバッターじゃないけれど、タイミングが合って打てた。得点に絡めて良かったです」とはにかんだ。

 チームは計3安打だった1回戦から一転、活発に打った。2番打者の杉浦選手は一回に犠打を決めると、その後は中前、左前、左中間三塁打、四球、右前と全方向に打ち分けた。

 昨年、コロナ禍で中止になった選抜大会の出場校が夏に甲子園で1試合限定で対戦した「交流試合」で先輩たちの姿をスタンドから観戦していた。右翼を守っていたのは、1学年上の兄・文哉さんだった。

 自宅に戻ってきた兄が、興奮気味に話してくれたことを覚えている。「やっぱりすごいぞ。球場に入った瞬間から鳥肌が止まらなかった。甲子園という球場に圧倒された」。そして、3打数無安打に終わった思いも込めて、こう言われた。「自分が打てなかったヒットを託す」

 身長160センチと小柄な杉浦選手の武器は足だ。「塁に出たら走り回って、チームを勢いづけられるようにしたい」。そう臨んだ選抜大会で、1回戦では内野安打を1本放った。「試合が進むにつれて甲子園を楽しめた。1本打てたので良かった」。自然体で臨んだ2戦目で、さらに躍動した。

 祖父の故・藤文(ふじふみ)さんは、1966年に中京商時代の同校が春夏連覇したときの監督だ。その孫が活躍した試合の1勝で、春の単独最多勝利校に返り咲いたのも何かの縁だろう。(上山浩也)